バレーのオーバーネットは、ネットの向こうへ手が出ただけで必ず反則になるわけではありません。重要なのは「いつ、どちらの空間でボールに触れ、相手のプレーを妨げたか」です。
FIVB公式競技規則2025〜2028年版の第11.1・11.4条、第14条をもとに、6人制のブロックと攻撃を分けて確認します。
ブロックで相手側に手を出せる条件
ブロッカーは、相手が攻撃を打つ前のプレーを妨げない限り、ネットを越えてボールに触れることが認められます。相手のセッターがトスを上げている最中に相手側空間のボールを奪う行為まで許されるわけではありません。
例えば、相手のアタッカーが打ち終える局面に合わせて、ネット上に出した手で攻撃を止めるのは一般的なブロックです。相手がまだボールを扱う権利のある段階で、そのプレーを奪ってしまうと反則になる可能性があります。
スパイク後に手が越えるのは?
スパイクは自分のプレー空間でボールに最初に触れれば、打ち終わりの腕や手がネットの向こうへ振り抜かれることは許されます。接触地点が自陣か相手側かがブロックとの大きな違いです。
比較表:5つのよくある場面
| 場面 | 基本の考え方 |
|---|---|
| 自陣でスパイクに触れ、振り抜いた手だけ相手側へ | 原則、許される |
| 相手のトス動作中に相手側のボールへ手を出して奪う | 相手の攻撃前のプレーを妨害するため反則になり得る |
| 相手が攻撃した球をネット上でブロックする | 相手のプレーを妨げない条件なら許される |
| ネットを越えた手で相手選手に触れる | 相手のプレーへの干渉として反則になり得る |
| ブロック時にアンテナ間のネットに手が触れる | オーバーネットとは別にタッチネットを確認 |
ネットを越えるプレーを判断する順番
- まず「ブロックか、攻撃か」を分ける。ブロックは相手から来るボールをネット付近で阻止する行為、スパイクや押し込みは攻撃として考えます。
- 攻撃なら最初のボール接触位置を見る。自陣のプレー空間で触れ、その後に腕が相手側へ抜ける動作は第11.1.2条で認められます。
- ブロックなら相手のプレー機会を確認する。相手がアタックヒットを行う前に、相手の正当なプレーを妨害する接触はできません。
- 最後に別の反則を確認する。オーバーネットが許される状況でも、タッチネットや相手への妨害が成立することがあります。
「相手の攻撃前」には返球の種類も関係する
競技規則第13.1.1条の「アタックヒット」は強いスパイクだけを意味しません。サーブとブロックを除き、相手側へボールを向ける動作は広くアタックヒットに含まれます。たとえば相手がオーバーハンドで直接返そうとする場合も、単純に「トスだから絶対触れない」「スパイクだからいつでも触れる」と分類できません。相手に残るプレーとボールが相手側へ向かう局面を合わせて見ます。
| 写真・動画の見え方 | 確認したいこと |
|---|---|
| 腕だけがネット越しに出ている | 腕が越えた時点より前に、自陣でボールを打ったか |
| ブロッカーの手が相手のトスに近い | 相手のアタックヒット前の正当なプレーを妨げたか |
| 相手側でボールに触れた | 許されるブロックなのか、自陣で触れるべき攻撃だったか |
ブロックなら何でも相手側で触れてよい?
いいえ。相手のプレーを妨げない範囲で手を越えさせることと、相手の空間でボールに触れてよいことは同じではありません。FIVB第14.3条は相手のアタックヒットより前に相手側空間のボールへ触れることを禁止し、第14.6.1条はそのブロック接触を反則としています。
| 混同しやすい場面 | 確認すること |
|---|---|
| 相手のトスに手が届いた | まだ相手がプレーする段階なら、相手側空間でボールを奪わない |
| 相手が返す球をネット上で止めた | 相手のアタックヒットのタイミングと、正当なプレーを妨げたかを確認する |
| 相手のサーブをネット際でブロックした | ブロック自体が禁止(第14.5条) |
| 後衛選手がブロックを完成させた | オーバーネット以前に後衛のブロック反則を確認(第14.6.2条) |
ネットへの接触や相手への妨害も、ボールへの接触位置とは別に判断します。手の位置だけを写した写真1枚では、相手の攻撃前かどうかを確定できません。FIVB公式規則第11.1・14.3〜14.6条とプレーの前後関係を合わせて確認してください。
相手のトスが乱れてネット際に寄った場合は、相手がまだ続けてプレーできるのか、すでに相手側への返球・アタックヒットとなったのかを分けて考えます。ネットを越えている手の位置だけでは、ブロックの可否は決められません。FIVB第11.1.1条・第14.3条は相手の正当な攻撃前の接触を制限し、第13.1.1条は強打以外の返球もアタックヒットに含むと定めています。
判定が割れやすいポイント
相手のボールに見えても、攻撃が成立した後か確認
相手選手が二段トスをしている段階と、返球・攻撃として相手側へ向かう段階は同じではありません。ボールの方向だけでなく、選手の動作とタイミングを見ます。
手がネットを越えた写真だけでは判断できない
静止画像には接触前後のタイミングが映りません。ボールがどこで打たれ、いつ手が越えたかを連続した映像で確認する必要があります。
オーバーネットを避けるコツ
- スパイクの打球点は、自陣の空間で確保する
- 相手のセッターのトスに無理に手を伸ばさず、攻撃時機を見極める
- ブロックでは相手の攻撃を妨げないようにタイミングを合わせる
- ネット接触の反則は別条件なので着地まで注意する
ネットへの接触も別個の反則として確認してください。基本例はバレーボールの反則一覧、ブロックの手の出し方はブロックのタイミングと手の形で確認できます。
適用範囲と出典
FIVB Official Volleyball Rules 2025–2028 第11.1条・第11.4条、第13・14条。ママさんバレーや9人制は別の競技規則を確認してください。
親記事:バレーのルール・練習総合ガイド。根拠の中心はFIVB公式競技規則2025–2028 の第11.1.1・11.1.2条、第13.1条、第14.3・14.6条です。


















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