バレーボールのタッチネットは、選手がボールをプレーする動作中、アンテナ間のネットに触れる場合などに成立します。「ネットに少しでも触れたら必ず反則」と「どこに触れても大丈夫」は、どちらも正確ではありません。
ここでは6人制を対象に、FIVB公式競技規則2025〜2028年版第11.3・11.4条の条件を整理します。9人制や大会独自運用にはそのまま当てはめないでください。
タッチネットになる基本条件
ネットへの接触は、ボールを打つ瞬間だけでなく、助走からジャンプ、打球を試みる動作、着地して次の動作に入れる状態になるまでが関連します。ブロックやスパイクで跳んだ選手がこの動作中にアンテナ間のネットへ触れるのは典型的な反則です。
また、ネットを支えにして体を安定させる、触れることで有利な状況を作る、相手の正当なプレーを妨げる、ネットをつかむといった行為も禁止されています。
どの接触が反則になる?
| 場面 | 判定の基本 |
|---|---|
| スパイク後、着地動作中にアンテナ間のネットへ触れる | 反則 |
| ブロックを試み、ボールに触れていなくてもネットに接触 | 動作中なら反則 |
| プレーに干渉せず、アンテナより外のネットや支柱に触れる | 原則は反則にならない |
| ボールがネットを押して相手選手にネットが触れる | その事実だけでは反則にならない |
| アンテナ間のネットを支えにしてバランスを取る | 反則 |
| 離れた位置の選手がプレーに関係なく軽く触れた | プレー動作との関係や妨害の有無を確認 |
髪の毛やユニフォームが触れたら?
髪の毛とユニフォームは、同じ基準で「少し触れたら反則」とは判断できません。FIVBケースブック2024の事例3.27では、髪がネットに触れただけなら通常は反則とせず、相手のプレーに影響したりラリーを中断させたりした場合に反則となると説明しています。
例えば髪がネットに絡まりラリーに影響したケースです。一方、ユニフォームがプレー動作中にアンテナ間のネットに触れる場合は、身体や着衣による接触としてタッチネットの判定対象です。髪の扱いを服まで拡大して「どちらもセーフ」とはしないでください。
スローモーション動画や遠い観客席からは接触した髪・服・体の箇所が判別しにくいため、判定の詳細は大会審判の判断・大会要項を確認してください。
タッチネットの判定を3つの質問で確認
- ①どこに触れた?アンテナ間のネット・アンテナそのものか、アンテナ外のネットや支柱かを確認します。
- ②いつ触れた?助走、ジャンプ、打球・ブロックの試み、着地して次の動作に備えるまでの一連のプレー中かを見ます。
- ③プレーを妨げた?ネットを支えにする、引っかかる、相手の正当なプレーを妨げるなどの事情を確認します。髪の接触は特にケースブックの解釈を参照します。
髪と服、アンテナ外側のケース別の結論
| 接触したもの・位置 | 基本の判断 | 確認する根拠 |
|---|---|---|
| スパイク中に手・服がアンテナ間のネットへ | 原則タッチネット | 第11.3.1条・11.4.4条 |
| 髪がネットを軽くかすめ、プレーに影響がない | ケースブックでは通常は反則にしない | FIVBケースブック2024・事例3.27 |
| 髪がネットに絡まり、ラリーが妨げられた | 反則となる | 同・事例3.27 |
| アンテナ外のネットや支柱へ触れたが妨害なし | 通常は反則ではない | 第11.3.2条 |
| アンテナ自体にプレー動作中に触れた | 反則 | 第11.4.4条 |
観戦中は、接触音やボールの軌道だけでは決めつけられません。アンテナと接触位置、ボールをプレーしようとした時点、着地までを連続して確認することが大切です。
公式ケースブックで比べる「セーフ」と「反則」
| 具体的な場面 | 判定 | 理由・参照例 |
|---|---|---|
| スパイク後に安全に着地してから、アンテナ外のネットを軽くこすった | その接触だけでは反則ではない | プレーへの干渉がなく、ネットを支えにしていない(FIVBケースブック2024・3.24) |
| 着地後にバランスを崩し、アンテナ間のネットを胸で押して体を支えた | 反則 | ネットを安定させるために使った(同3.25) |
| 味方アタッカーと接触し、まだプレー動作中のセッターがネットに触れた | 反則 | セッターが打球の一連の動作中だった(同3.26) |
この3例は「軽く触れたか」「自分の意思で触れたか」だけでは判定できないことを示しています。接触場所・一連のプレー動作・ネットを支えにしたかを分けて見てください。
原文はFIVB Volleyball Casebook 2024の事例3.24〜3.26に掲載されています。ケースブックの具体例と、2025〜2028年の現行規則本文を合わせて確認しましょう。
髪と服を一緒に「セーフ」と判断しない
FIVBケースブック2024の事例3.27は髪の毛がネットに触れた場合の例外的な解釈を示しています。
一方、ユニフォームや身体がプレー動作中にアンテナ間のネットに触れた場合は、FIVB第11.3.1条の基本条件に沿って反則を判断します。服の接触を「髪と同じだから影響がなければセーフ」と拡大解釈しないことが重要です。
ネットにボールが当たるのは反則?
ボール自体がネットに触れて相手側へ通過することは、規則第10.2条で認められます。ネットに打ち込まれたボールを、チーム3回以内のタッチで返すことも可能です。選手のタッチネットと、ボールがネットに触れることは別問題です。
反則を減らすための練習チェック
- ブロックで前に倒れず、垂直方向の跳び上がりと着地を意識する
- 助走とネットとの距離を確かめる
- 打球後に腕や手、体がネットへ流れていないか確認する
- ネットへ不用意につかまらず、着地後のバランスを整える
練習で安全を確保する際はチームの指導者の指示を優先し、ネット際の衝突や着地位置にも注意してください。その他のルールはバレーボールの反則一覧、競技全体の導線はバレーボールのルール・練習総合ガイドで確認できます。
公式根拠
FIVB Official Volleyball Rules 2025–2028 第10.2条、第11.3・11.4条。2026年11月時点の一般的な6人制基準です。
髪に関する具体的な審判解釈:FIVB Volleyball Casebook 2024 の事例3.27(17ページ)。現在の基本条文はFIVB公式競技規則2025–2028 第11.3・11.4条を参照してください。




















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