卓球サーブのルール|16cmトス・位置・シングルスとダブルスの違い

卓球台の前で、選手が左の手のひらから白いボールをトスし、右手に赤いラケットを構えている。

卓球のサーブは、相手の台に入れば何でもよいわけではありません。開いた手のひらで球を静止させ、ほぼ垂直に16cm以上投げ上げ、落下中に打つことが基本です。さらにボールの位置、相手からの見え方、最初のバウンド先にも決まりがあります。

この記事では「とりあえず入るサーブ」と「試合で認められる正しいサーブ」の違いを、2026年9月1日改定の国内規則と日本卓球協会FAQを踏まえて説明します。

正しい卓球サーブの基本6条件

  • ラケットを持たない手の、開いた手のひらに球を載せて静止させる
  • 球に意図的な回転を与えず、ほぼ垂直に16cm以上投げ上げる
  • 球が落下している途中で打ち、途中でほかの物に触れさせない
  • 開始から打球まで、球は台面より高く、サーバーのエンドラインより後ろに置く
  • 自分の体や衣服で球を隠さず、投げた直後にフリーアームを球とネットの間から外す
  • 最初に自分のコート、その後に相手コートへ正しくバウンドさせる

16cmはどこから測る?トスの低さに注意

16cmは手のひらから球が離れた位置を基準とする上昇高さです。球が空中にある時間や、ラケットが球に当たった高さではありません。球は手のひらから離れたあとにほぼ真上へ上がり、落下中に打球します。

手を大きく振って球を放り上げること、球を握り込んで離すこと、指でスピンを与えることは避けます。「ほぼ垂直」は完全な鉛直線から1ミリもずれてはいけないという意味ではありませんが、相手が球の動きを追えるように真上に近いトスにする必要があります。

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空振りをしたらもう一度?

サーブを開始するために球を投げ上げ、打球できずに空振りした場合は、原則としてサーバーの失点です。「打っていないからやり直し」とはなりません。初心者が練習でやり直す場合と公式の得点判定は分けて考えます。

どこから打つ?サーブ位置と相手側のバウンド

サービスの開始から打球するまで球はエンドラインの後方で、台のプレーイングサーフェスより上に保ちます。体そのものの位置を一律に「台の端から何cm以内」と決めるルールではなく、球の位置が重要です。

サービス後のバウンドはシングルス・ダブルスで異なります。シングルスでは、左右どちらの位置から打っても構いません。自コートに1回、相手コートに1回入れば、斜めへ打つ必要はありません。ダブルスは自分の右半面から相手の右半面へ対角線に打ちます。センターラインは右半面に含まれます。

よくあるケースシングルスダブルス
自コートの左半面→相手コートの左半面へバウンド他の条件を満たせば有効最初のバウンドが右半面でないため無効
自コートの右半面→相手コートの右半面へバウンド他の条件を満たせば有効他のサービス条件も満たせば有効
自分の台に触れず相手台へ直接飛ぶ失点失点
自コート・相手コートに正しく入り、途中でネットに触れるレットでやり直しレットでやり直し
球を体で隠す不正なサーブ不正なサーブ

左右の位置で混同しないためのチェック

ダブルスで指定される「右半面」は、サーバー側とレシーバー側それぞれの選手から見た右半面です。サーバーが台の右横に立っているかではなく、球が最初と次にどの半面へバウンドするかで判断します。両コートのセンターラインはそれぞれ右半面の一部です。

確認事項正しい考え方
打つ人の立ち位置台の後方で球の位置条件を守り、左右の立ち位置だけで反則とは決めない
球の最初のバウンド自分側の右半面(中央線を含む)
球の次のバウンド相手側の右半面(中央線を含む)
ラリーの2打目以降右半面の制約はなく、相手のコートへ正しく返球

「ネットイン=レット」とは限らない

球がネットに触れたら必ずやり直しではありません。正しいサービスがネットに触れて、その後正しく相手コートに入ったときがサービスレットの典型です。ネットに当たって自分側に落ちたり、相手のコートへ届かなかったりしたサービスは通常の失点です。

また、通常のラリー中のネットインは、相手コートへ正しく入ったなら有効な返球です。サーブ時だけを特別に扱うと覚えると混乱を防げます。

サーブは何本交代?デュースで変わる

点数状況基本のサーブ交代例
0対0〜9対9まで2ポイントごとAが0-0と1-0で打ったら次はB
10対10以降1ポイントごとA→B→A→Bで交代
サービスレットサーブ交代のポイント数に算入しない正しいサービスが成立するまで同じサーバー

点数が続けて入るかどうかでサーバーは変わりません。シングルスはサーブを出す側が2ポイントで交代し、デュースになると毎ポイント交代するという順番を守ります。

よくある3つの疑問

16cm以上投げたあと、球を取ってやり直せる?

正しくサービスを始めたあとで球を打たずに捕まえたり、打てなかったりした場合は、通常は正しいサービスができなかったことによる失点です。練習用の打ち直しと試合の判定を区別します。

相手が準備できていないときは?

相手が受球の準備をしておらず、受球を試みていないときのサービスは、規則上レットになる場合があります。受け手が準備できたことを確認してから始めると混乱を防げます。

身体上の事情があって同じ動作が難しい場合は?

一般的なサービス条件には、身体的な障害により遵守できないと審判が認める場合の特例があります。すべての人に同じ姿勢を一律に要求するとは限りません。大会の適用規則と審判の判断を確認してください。

主審が注意するサーブと、すぐ失点になるサーブ

審判が正規のサービスかどうか確信を持てないときは、一定条件で最初に注意が与えられる場合があります。一方、明らかに不正なサービスは最初からフォルトになり得ます。「毎試合必ず1回は警告してもらえる」と誤解しないようにしましょう。

自分で点検できるチェックリスト

  • 手のひらに球が自然に載っているか、指で支えていないか
  • トスが真上に近く、16cm以上上がったか
  • 打球時まで球が台より上、エンドラインより後ろにあるか
  • 空いた腕を球とネットの間から除いたか
  • 自分→相手の順に1バウンドしたか
  • ダブルスの場合、右半面→右半面か

ペア練習では動画を撮るより先に、横から1人が位置とトスを見て、正しい動作を繰り返すのが効率的です。動画を使う場合も他の利用者の顔が映り込まないように配慮します。

サーブ練習前に確認したい用具

ボールの大きさや練習球は卓球ボールの種類、台のエンドライン・センターラインとネットは卓球台の規格を参照。打球時の回転を考えるためのラバーについては卓球ラバー4種類の違いで整理しています。

規則の適用範囲は、日本国内の一般的な卓球(通常の40mm球)を中心に整理しています。日本卓球協会の2026年9月1日改定案内とITTF Statutes 2026(第2章・競技の基本規則)を併せて確認してください。パラ卓球、ラージボールや大会独自の方式では、適用する競技規則・大会要項を優先します。

公式資料

日本卓球協会:競技規則、日本卓球協会:ルールFAQ(16cm・手のひら)、VICTAS公式サーブルール解説を参照。公開情報の適用日と大会要項を確認してください。