スカッシュラケットは、グリップを握手するように持ち、親指と人さし指の間にV字を作る握り方が基本です。フォアハンドとバックハンドのたびに大きく握り直すより、まずは両方に対応しやすい共通の握り方を身につけましょう。
日本スカッシュ協会の初心者向け解説では、人さし指を他の指から少し離し、親指と人さし指の間の形を意識する握り方が紹介されています。本記事ではラケットの持ち方、握る強さ、よくあるつまずきを実際の動作に沿って説明します。
基本は握手をするように握る
- ラケットの面を大きく下へ倒さず、体の前で立てて持つ
- 利き手をグリップに横から添えるように近づける
- 親指と人さし指の間に自然なV字を作り、グリップの面を基準に位置を微調整する
- 人さし指を他の指から少し離し、残りの指でグリップを支える
- 手首を無理にひねらず、ラケット面の向きを確認する
ラケットのグリップを握りこぶしのように強く握ると、面の向きを細かく変えにくくなることがあります。最初は指と手のひらに不自然な圧迫がない状態で、打球の瞬間にラケットがぶれない程度に握ります。
V字はどこを向ければよい?
グリップの角張った面を目印に、親指と人さし指の付け根でV字を作ります。指だけでつままず、下の3本の指でも支えましょう。ラケットを体の前へ差し出し、自然な姿勢で面が横へ倒れすぎないか確かめてください。
手の大きさやラケットのグリップ形状によって、無理のない角度は多少変わります。細かい角度を数字で固定するより、指が安定して添えられ、フォアとバックの両方を打てるかを優先してください。
V字の向きに迷ったときは、打たない側の肩に向かってV字が伸びる配置を目安にすると確認しやすくなります。Squash Canadaの初心者向け技術資料も、V字の方向・人さし指と中指を少し離すこと・握りこぶしにならない力加減を一組の確認点として示しています。
ただし手やグリップの形状で微調整が必要なので、角度を無理に固定せず、フォアとバック両方のラケット面をコントロールできるかで確かめましょう。
参考:Squash Canada「The Fundamentals – Grip, Ready Position, and the Swing」。
フォアハンドとバックハンドで握り替える?
初心者はフォアとバックで大きく握り替えず、共通の基本グリップを練習します。手首だけをこねて面を返すのではなく、体の向きと前腕の回転を使いながらラケット面を整えると、フォームの再現性を高めやすくなります。
テニスの強いトップスピンを打つような、面を極端に伏せる持ち方をそのままスカッシュに持ち込むのは避けましょう。壁へ当てるボールをコントロールできるように、シンプルな打球から始めます。
正しく握れているか、ボールなしで確認する方法
まずラケットを目の前で立てて握り、人さし指が中指と少し離れているか、面が極端に下を向いていないかを確認します。次にフォア側とバック側へゆっくり構え、握り替えなくても両側で面を扱えるか試しましょう。握りが合わないときは、手首を強くひねる前にV字の位置を少し整えます。
日本スカッシュ協会がいう「中指・薬指・小指で握りこむ」とは、ラケットが手の中で動かないように支える基本です。常に最大の力で握り続けるという意味ではありません。握る強さはラケットがずれない範囲で調整し、打球中にラケットヘッドが不安定ならグリップとスイングの両方を見直しましょう。
スカッシュ専門の指導資料でも、握手するようなグリップ、親指と人さし指のV字、少し離した人さし指を重視しています。
参考:England Squash「Helping players improve: key technical cues to watch for」。コーチング記事の動作を無理に一度で再現する必要はありません。
握り方のチェック表
| 確認するところ | 目安 | 見直したいサイン |
|---|---|---|
| 親指と人さし指 | V字を意識し、無理なく添える | 人さし指が他の指に密着しすぎる |
| 残り3本の指 | グリップを安定して支える | 指先だけでつまんでラケットが動く |
| 握る強さ | 普段は必要以上に固めない | 常に強く握り込んで腕や肩が緊張する |
| 手首 | 自然な位置で面の向きを確かめる | 打球前から極端に曲げている |
| ラケット面 | フォア・バックで扱いやすい向きを作る | 持ち替えるたびに向きが大きく変わる |
握りにくいと感じたときの原因
グリップが太い・細い
同じ握り方でも、太すぎるグリップは指を回しにくく、細すぎるものは必要以上に握り込む原因になることがあります。ラケットを購入する前に実物を握り、指の位置や握りやすさを確認しましょう。
ラケット自体の重量・バランス選びはスカッシュラケットの選び方で詳しく説明しています。
グリップテープが傷んでいる
滑りやすさを感じたら、テープの摩耗や汗による状態も確認します。強く握り込むことで無理に補おうとせず、必要に応じてグリップテープを交換しましょう。
フォアとバックを同じ握りで確かめる手順
| 動作 | チェックポイント | 違和感が出たら |
|---|---|---|
| フォアハンドの素振り | 人さし指が軽く添えられ、ラケット面を意識できる | 握りこぶしになっていないか見直す |
| バックハンドの素振り | 持ち替えを最小限にし、ラケットヘッドを準備する | 手首だけを急にねじらない |
| 打球後の構え直し | 握る強さを必要以上に維持せず次の球に備える | 指・前腕の力みを確認する |
日本スカッシュ協会は中指・薬指・小指で支え、人さし指は添えることを説明しています。England SquashもV字、指の軽い開き、過度に強く握らないことを指導上の確認点としています。親指・人さし指だけでつまんで打つ方法ではありません。
右利き・左利きで変わる?
V字を意識することや、フォアとバックで極端に握り替えない考え方は利き手に関係なく参考になります。鏡映しにして無理なく持ち、自分のラケットの形状と体格に合わせて指導者に確認してもらいましょう。
3分でできる基本練習
- 30秒:ラケットを持ってV字の形、指の間隔、握る強さを確認
- 60秒:ボールなしでフォアとバックの素振りをゆっくり行い、面が大きくぶれないか確認
- 60秒:安全な位置で軽い壁打ちを行い、打点と方向の安定を見比べる
- 30秒:強く握りすぎていないか、指に違和感がないか振り返る
壁打ちはコート利用者が近くにいない場合に限り、ラケットの振り抜きとボールの跳ね返りに注意してください。痛みがある場合は無理をせず、指導者などにフォームを確認してもらうことが大切です。
よくある質問
ラケットは長く持つ?短く持つ?
グリップエンドを小指側の目印に、安定して握れる位置から始めましょう。短く握ると面を扱いやすいと感じる場合もありますが、ラケットの長さを十分に使える位置かどうかも確認してください。
指を全部そろえて握ってもよい?
基本練習では人さし指を少し離す持ち方を試しましょう。ラケット面の安定と操作のしやすさを自分でも確認し、無理に大きく指を開く必要はありません。
公式参考資料
- 日本スカッシュ協会:スカッシュの打ち方(基本のグリップ)
- England Squash:Helping Players Improve Technique(初心者の技術習得)
次に読む:スカッシュのルール・始め方総合ガイド。基本グリップの一次資料は日本スカッシュ協会「基本の打ち方」、動作の確認点はEngland Squash の技術指導資料です。



















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