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スカッシュのサーブは、ボールを打つ瞬間に片足をサービスボックスの境界線に触れない内側の床につけ、ボールを前壁のサービスラインとアウトラインの間に直接当て、相手側の後方4分の1の区域へ届けるのが基本です。受け手が床に落ちる前に打ち返さない場合、最初のバウンドが反対側の指定区域に入る必要があります。
テニスと違ってサーブのやり直し用の「2本目」はありません。フォルトなら相手にそのラリーの1点が入ります。この記事はWorld Squash Officiatingが掲載する2025年9月版シングルス公式規則第5条に基づき、初めての試合で迷いやすい条件を整理しました。確認日:2026年11月2日。
サーブのルールは3か所を確認する
| チェックする場所 | 正しい状態 | よくある反則 |
|---|---|---|
| 足元:サービスボックス | インパクト時、片足がボックス内の床に接し、その足が境界線に触れない | 片足も箱の内側にない/支える足が線に触れる |
| 前壁:打球の高さ | 最初に前壁へ当て、サービスラインとアウトラインの間を狙う | サービスライン上に当たる/アウトラインを越える |
| 床:最初の着地点 | レシーバーがノーバウンドで打たなければ、反対側の後方クォーターコート内 | 反対側の所定区域に入らない/境界線に触れる |
公式規則5.7に足・前壁・着地点の条件、5.8に反則の扱いがあります。世界公式シングルス規則(2025年9月版)と日本スカッシュ協会のルール案内を根拠にしています。大会ごとの特別規定がある場合はそちらも確認してください。
サービスボックスの足の位置|片足は境界線に触れない
打つ瞬間に少なくとも片足の一部がサービスボックス内の床に接地し、その片足のどの部分も境界線に触れていないことが条件です。もう片方の足を箱の中に置いても外に置いてもかまいませんが、両足とも浮いている、両足とも箱の外にある状態は反則になります。
目安として、まずサービスボックス内に片足を置き、つま先やかかとが線に重なっていないか確かめてからサーブします。インパクトまでその条件を保つとフットフォルトを減らせます。
2026年8月発効の世界審判基準(プロ・シニア競技向けの運用指針)でも、明白なフットフォルトの判断とコール方法が示されています。一般の国内大会では2025年競技規則と各大会要項を優先して確認してください。WSO:審判基準(2026年8月発効)
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前壁の当てる場所|サービスラインとアウトラインの間
打ったボールは、サイドウォールより先に前壁の有効ゾーンに当てます。サービスライン(高さ約1.78m)より上で、アウトライン(前壁の高さ約4.57m)より下です。線上に当たった球はフォルトになります。前壁とサイドウォールに同時に当たるサーブも、2025年規則5.7.3では有効になりません。
一度前壁に当たった後、床に落ちるまでの間にサイドウォールや後壁に触れること自体は、直ちに反則にはなりません。実際に最初に床へ落ちる場所が条件を満たしているか、次に確認します。
最初のバウンドは相手の後方4分の1に入れる
たとえば右側のサービスボックスから打つなら、相手がノーバウンドで打ち返さない限り、反対側の左後方クォーターコートへ最初にバウンドさせます。左右は逆の場合も同様です。ショートライン、ハーフコートラインなど境界線に触れた場合はフォルトです。
ただし、レシーバーがボールをノーバウンドで打ち返した場合、最初の床への着地点という条件の当てはめは異なります。着地点だけを見て「今のサーブは必ずフォルト」と早合点しないことが大切です。
サーブの順番とサービスボックスの左右交代
- ゲーム開始時、ラケットのスピンに勝った選手が最初にサーブする
- 新しいゲームの初めとサーバー交代時は、右か左かをサーバーが選べる
- サーブ権を維持して得点したら、次は反対側のサービスボックスからサーブする
- レットでやり直す場合は、同じサービスボックスから再びサーブする
- サーブが失敗したらそのラリーは相手の勝ちとなり、相手に1点が入りサーブ権も移る
サーブ権の交代と左右の順序は規則5.1〜5.3と、5.8に明記されています。スカッシュの得点方式はすべてのラリーで1点が動くラリーポイント制。サーバーだけが得点できるわけではありません。
5つの失敗例とすぐできる修正
| 失敗例 | なぜ失点する? | 最初に直すこと |
|---|---|---|
| インパクト時にボックスの線を踏んだ | 足の位置の条件違反 | 立ち位置を少し内側にする |
| 前壁のサービスラインに球が当たった | サービスライン上はフォルト | 前壁の狙いを少し上げる |
| ボールが前壁より先にサイドウォールに当たった | 前壁へ直接当てる条件に反する | 前壁の中央寄りを狙って高さを整える |
| ボールの初バウンドが反対側でなく自分の側 | 着地点の条件違反 | 後方の対角線方向を意識する |
| ショートライン上に初バウンドした | 着地点の線上はフォルト | 相手後方の奥を目標にする |
ここで挙げた場面は規則の理解のために作成した仮想例で、実際の試合映像を判定したものではありません。球速を上げる前に「足元・高さ・着地点」の順で安定させると、毎回の確認がしやすくなります。
よくある質問
サーブを空振りしたらどうなる?
空振りしただけで必ず即フォルト、というわけではありません。公式規則5.7.1は、手やラケットから落とす・投げるなどしたボールが別の物に触れる前に、最初またはその後の試みで正しく打てればよいサーブになり得ると定めています。
ただし、ボールが床などに触れてしまい条件を満たさなければフォルトです。打とうとする試み自体をせずに落とした・投げた場合は、規則5.9によりサービスとは数えず、始め直せます。「空振りは常に失点」「空振りは無制限にやり直せる」のどちらも正確ではありません。
受け手が準備できていなかった場合は?
受け手が準備できておらず、返球を試みなかったときはレットになる場合があります。ただし、そもそもサーブがフォルトだったならサーバーの失点です(規則5.10)。受け手が準備できたことを確認してからサーブしましょう。
サーブが壁を2枚使うとフォルト?
打球が最初に前壁の有効ゾーンに直接当たり、その後にサイドウォールへ当たることはあります。前壁とサイドウォールへ同時に当てるサーブや、最初からサイドウォールへ当たる打ち方とは区別してください。
同じ側から2回連続でサーブしてしまったら?
間違ったボックスからサーブしたことに選手や審判が気付いた場合、正しい側へ案内されます。気付かれないままラリーが終わった場合は規則5.11によって結果をそのままとする取り扱いがあります。実際の試合ではマーカーとレフリーの指示を優先してください。
スコアが読み上げられる前にサーブしてよい?
いいえ。公式規則5.12では、マーカーがスコアをコールしてからサーブすることが求められます。先に打ったときはレフリーがプレーを止め、スコアのコールを待つよう指示します。さらに、受け手が準備できていないうちに打たないことも規則5.6の条件です。「足・前壁・着地点」に加えて、受け手の準備とコールを確かめると試合を円滑に進められます。
練習メニュー:一度に3条件だけ点検する
- 5本を打ち、まずフットフォルトをしないことを確認する
- 次の5本は前壁でサービスラインとアウトラインの間を安定して狙う
- 次の5本で相手側の後方クォーターコートへの初バウンドを確認する
- 左右のサービスボックスを交代して同じ手順を繰り返す
- 不自然に強く打とうとせず、受け手やコートの安全を確かめる
「必ず5本ずつで上達する」という効果を保証する練習法ではなく、ルール条件の確認を分解したチェック例です。相手がプレーエリアにいるときは、周囲を確認し、適切な指導の下で行ってください。基本のラケット操作はスカッシュの打ち方と1人練習も参照できます。
まとめ:片足・前壁・反対側への着地点を覚える
スカッシュのサーブで最初に覚えることは、片足がボックス内に接地・前壁の有効ゾーンへ直接打球・最初のバウンドは反対側の指定区域の3つです。2本目のサービスはなく、フォルトで相手に得点が入るため、焦らず条件を確かめて打つことが大切です。
スカッシュの得点やラリー全体の進行についてはスカッシュの基本ルール、全記事の案内はスカッシュ総合ガイドも参考にしてください。
参考資料(競技団体一次情報)
- World Squash Officiating:Rules of Squash(2025年9月版、Rule 5)
- 日本スカッシュ協会:競技ルール案内・日本語のサーブ解説
- World Squash Officiating:2026年審判基準
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