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バレーボールの試合を観戦していると、審判が鋭い笛の音とともに様々なジェスチャーを行っているのを目にするはずです。
「今の笛は何の反則だったのだろう」「あのハンドシグナルにはどんな意味があるのだろう」と、疑問に思った経験がある方は非常に多いのではないでしょうか。
バレーボールは展開が非常にスピーディーなスポーツであるため、審判は言葉だけでなく、全身を使ったサインで選手や観客に瞬時に状況を伝えています。
この記事では、バレーボールの審判が行う主なハンドシグナル(ジェスチャー)を、試合中にも確認しやすいように整理します。公式シグナルをすべて網羅したものではないため、詳細はJVAの競技規則に掲載された公式図もご確認ください。
それぞれのシグナルが持つ意味や、どのような反則の時に使われるのかを知ることで、バレーボール観戦の面白さは何倍にも膨らむはずです。
各項目に動きを理解しやすい図解を添えています。画像内部の全シグナルは現在確認中のため、正式な判定方法を確認する場合はJVA2026年度6人制競技規則の第11図・第12図を優先してください。反則が成立する条件は反則の詳しい解説でも確認できます。
バレーボールの審判がハンドシグナルと笛で伝えること
笛の長さや強さだけで判定内容を特定することはできません。審判の公式ハンドシグナルとサービスチームの表示を確認します。
| 場面 | 公式シグナル・注意点 |
|---|---|
| ファーストレフェリー | プレー全体の判定・サービスの許可・得点となったチームの指示など |
| セカンドレフェリー | ネット付近の反則・選手交代など、規則で定められた担当を行う |
| 主な公式シグナル | ダブルコンタクト=指2本、フォアヒット=指4本、オーバーネット=手のひらを下に向けネット上方にかざす |
| 重要な注意 | サーブを打つ側と受ける側で位置の制限が異なり、判定条件は反則ごとに異なる |
各動作の詳細は第11図の番号順に確認できます。 出典:JVA2026年度6人制競技規則・第11図(PDF)。図の動作は公式図を優先してください。
バレーボールの試合を円滑に進行させるため、審判のハンドシグナルと笛は絶対的なルールとして機能しています。
まずは、コートを統括する審判の役割と、笛の音が持つ基本的な意味について理解しておきましょう。
バレーボールの公式戦では、主にネットの高い位置から全体を見渡す「主審(ファーストレフェリー)」と、ネットの下のフロアレベルでプレーを監視する「副審(セカンドレフェリー)」が配置されます。
主審は試合全体の進行や、ボールのイン・アウト、アタッカーやブロッカーの反則など、プレーの大部分の判定を下す絶対的な権限を持っています。
一方の副審は、ネットへの接触(タッチネット)やセンターラインの侵犯、選手交代の管理など、主審の死角になりやすい足元やネット周辺の反則をサポートするのが主な役割です。
両者は笛を吹いた後、必ず定められたハンドシグナルを出し、どちらのチームの得点になったのか、あるいは何の反則があったのかを明確に提示します。
審判は必要な場面でホイッスルを使い、公式ハンドシグナルによって判定内容を示します。笛の長さや強弱だけで特定の反則を判別することはできないため、審判の手の動きと次にサービスを行うチームの表示を確認しましょう。
審判の笛が鳴ったら、まずは主審がどちらのチームに点を与えたかを示す腕の動きに注目し、その後の具体的な反則を示すジェスチャーを確認するのが正しい見方です。
【試合の進行・中断】バレーボール審判のジェスチャー種類
ここからは、試合をスムーズに進めるために審判が行う、基本的なハンドシグナルの種類を解説していきます。
反則ではなく、試合のコントロールに関わる重要なジェスチャーですので、最初に覚えておきたい基本中の基本となります。

サーブの許可
試合のラリーが始まる合図となるのが、このサーブ許可のハンドシグナルです。
主審はサービスを行う方向を手で示す動作を行います(JVA公式ハンドシグナル第11図①)。サービスを行うチームの指示(第11図②)は、腕をサービス側へ横に伸ばす別のシグナルです。
このジェスチャーと同時に「ピッ」と短く笛が吹かれ、サーバーは笛の音から8秒以内にボールを打たなければなりません。
サービスチームの指示(得点の表示)
ラリーが終了し、どちらかのチームに得点が入ったことを示す、最も見る機会の多いハンドシグナルです。
主審は得点が入ったチーム(次にサーブを打つチーム)の側のコートに向けて、腕を水平に真っ直ぐ伸ばして手のひらを上に向けます。
観客もこのシグナルを見ることで、「あ、こちらのチームの得点になったんだな」と瞬時に理解することができます。
コートの交代(チェンジコート)
セットが終わった後や、最終セットでどちらかのチームが規定の点数(通常は8点)に達した際に行われる、コートチェンジのシグナルです。
審判は体の前と後ろで、両腕を交差させるようにして胴体を巻き込むようなジェスチャーを行います。
右腕は体の前を、左腕は体の後ろを通るようにしてクロスさせるのが特徴的な動きです。
タイムアウト
各チームの監督が作戦を伝えるために要求する、タイムアウト(作戦タイム)を認める際のハンドシグナルです。
審判は両手を使って、胸の高さでアルファベットの「T」の字を作ります。
片方の手のひらを水平にし、もう片方の手の指先をそこにくっつけるようにして「T」を表現した後、タイムアウトを要求したチームのベンチ側を指差します。
選手交代(サブスティチューション)
ベンチにいる控え選手と、コート内の選手が交代する際に出されるハンドシグナルです。
審判は胸の高さで両腕を前後に重ね、自転車のペダルを漕ぐように、または糸を巻き取るようにクルクルと円を描いて回します。
このジェスチャーが出たら試合は一時停止され、副審の確認のもとで選手が交代エリアを通って入れ替わります。
セットまたは試合の終了
一つのセットが終わった時、あるいは試合そのものが完全に決着した際に出されるハンドシグナルです。
審判は両手を胸の高さで交差させ、そのまま腕を下げずにバツ印(X)を作った状態で静止します。
このジェスチャーと同時に、通常よりも少し長めの笛が鳴らされることが多く、会場全体にセットの区切りであることを知らせます。
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【ボールの判定】バレーボール審判のジェスチャー種類
スパイクやレシーブによって飛んでいったボールが、コートの中に入ったのか外に出たのかを示す判定シグナルです。
この判定は得点に直結するため、非常に重要かつ頻繁に行われるジェスチャーとなります。

ボール・イン
ボールがコートの床に触れた場所により「イン」を示すシグナルです。ボールが境界線に少しでも触れた場合もインとなります。JVA2026年度競技規則8.3・第11図⑮。
審判は、ボールが落ちた側のコートの床に向けて、片方の腕を斜め下に向かって真っ直ぐに伸ばし、指先でフロアを指し示します。
際どいコースにスパイクが決まった時、この腕がビシッと下を向く瞬間は、観客も最も盛り上がる場面の一つです。
ボール・アウト
ボールがコートのラインの外側に完全に落ちた、あるいはアンテナの外側を通過したことを示すハンドシグナルです。
審判は両腕の肘を曲げ、手のひらを自分の顔の方に向けた状態で、両手を肩の高さまで垂直に持ち上げます。
「外に出ましたよ」ということを、両手を上げてアピールするような分かりやすい動作になっています。
タッチボール(ワンタッチ)
スパイクされたボールが、相手チームのブロッカーやレシーバーの体の一部に触れてからアウトになったことを示すハンドシグナルです。
審判は片方の手を胸の高さで垂直に立て、もう片方の手の指先で、垂直に立てた手の指先をサッとこするように触れます。
「ボールが最後に選手に触れました」という意味を持ち、ただのアウトではなく、スパイクを打ったチームの得点となります。
【ボールの扱いに関する反則】バレーボール審判のジェスチャー種類
バレーボールはボールを「持ったり」「連続して触ったり」してはいけないという厳格なルールがあります。
ここでは、選手のボールタッチに関する反則があった際のハンドシグナルを解説します。

ダブルコンタクト(ドリブル)
ダブルコンタクトの判定を示すハンドシグナルです。1人の選手の連続接触は原則として反則ですが、チームの1回目のヒットや、2026年度JVAの条件を満たす2回目のオーバーハンドパスには例外があります。JVA2026年度6人制ルールの取り扱い9.2・9.3を確認してください。
審判は片手の手のひらを観客や選手に向け、人差し指と中指の2本を立てて見せます。
セッターのトスも、手のタイミングがずれたように見えるだけで一律に反則とはなりません。チームの何回目の接触か、ボールを送る方向、アタックヒットが完了したかなどで判定が異なります。ボールをつかむ動作は別途キャッチの反則になり得ます。
キャッチ(ホールディング)
ボールを一瞬でも掴んでしまったり、手のひらに乗せて持ち上げるようにしてプレーしてしまった反則を示すハンドシグナルです。
審判は片方の手のひらを上に向けて、下から上へゆっくりと持ち上げるようなジェスチャーを行います。
ボールを弾くのではなく、持ってしまう「ホールディング」の動作をそのまま表現した分かりやすいシグナルです。
フォアヒット(フォアタイムス)
バレーボールはチーム内で最大3回のタッチで相手コートにボールを返さなければなりませんが、4回触れてしまった際の反則を示すハンドシグナルです。
審判は片手の手のひらを向け、親指を内側に折り曲げて、残りの4本の指をしっかりと立てて見せます。
ブロックのワンタッチは回数にカウントされませんが、それ以外のプレーで4回ボールを繋いでしまうとこの反則になります。
【ネット・ラインに関する反則】バレーボール審判のジェスチャー種類
ネット周辺は選手が激しく交錯するため、反則が最も起きやすい危険地帯でもあります。
ネットやコートの境界線に関わる反則のハンドシグナルは、主審だけでなく副審も頻繁に行います。

タッチネット
ボールをプレーする動作中に、両アンテナ間のネットやアンテナに触れるなどの反則を示すシグナルです。ネットのどこに触れても無条件で反則となるわけではありません。踏み切り・ヒットの試み・着地なども一連のプレー動作に含まれます。JVA2026年度規則11.3・11.4。
審判は反則したチーム側のネットを指し示すシグナルを行います(第11図⑳)。ネットを強く触れたり白帯を持ち上げたりすることが公式動作の条件ではありません。
アタッカーが着地する際や、ブロッカーがジャンプする際に体がネットに触れてしまうケースが多く、副審が鋭く目を光らせているポイントです。
オーバーネット(相手空間でのプレー)
相手空間で相手のアタックヒット前にボールに触れたり、相手のプレーを妨害したりした場合などの反則を示します。ただしブロックでは相手のプレーを妨害しない限りネットを越えて手を伸ばすこと自体は許されます。JVA2026年度規則11.1・14.3。
審判は片手の手のひらを下に向け、ネットの白帯を越えるようにして相手コート側に手を差し出します。
相手のトスを直接ブロックしてしまったり、まだ相手がプレーできるボールをネット越しに押し込んでしまった場合に適用されます。
パッシング・ザ・センターライン
センターラインに関する侵入の反則を示すシグナルです。足が完全にラインを越えて相手コートに触れる場合は反則ですが、足首より上の身体は相手のプレーを妨害しなければ相手コートに触れてもよいとされています。足の一部が線上にあっても相手を妨害すれば反則です。JVA2026年度規則11.2。
審判はセンターラインの方向を向き、人差し指で床のライン上を明確に指し示します。
相手選手との接触によるケガを防ぐための重要なルールであり、足の裏全体がラインを越えた場合に反則となります。
アタックヒットの反則
後衛選手がフロントゾーンから、ボール全体がネット上端より高い位置でアタックヒットを完了するなどの場合の反則を示します。後衛選手でもアタックラインより後方から踏み切れば、規則の範囲で高い位置のボールを攻撃できます。JVA2026年度規則13.2・13.3。
審判は片腕を頭の上まで高く上げ、そこから肘を曲げて前腕を斜め下に向かって振り下ろします。
リベロがフロントゾーンで指を使ったオーバーハンドパスを上げ、そのボール全体がネット上端より高い位置で他の選手がアタックヒットを完了した場合も反則です。リベロがフロントゾーンでトスを上げたら必ず反則という意味ではありません。JVA2026年度規則19.3.1.4。
ブロックの反則
後衛選手がブロックを完了した場合、リベロがブロックを試みた場合、相手のサービスをブロックした場合などを示すシグナルです。後衛選手のブロック未完成の動作と、リベロによるブロックの試みは規則上の扱いが異なります。JVA2026年度規則14.6。
審判は両手を顔の高さまで上げ、手のひらを前に向けてブロックの形を作ります。
ブロックの反則は、ブロックが完了したか、リベロがブロックを試みたか、相手サービスをブロックしたかなどで成立条件が異なります。ボールが相手側へ返った瞬間だけを判定条件とすることはできません。
【その他】覚えておきたい特殊なジェスチャー
試合中には、ボールの反則以外にも様々なトラブルや特殊な状況が発生します。
頻繁に見るわけではありませんが、知っておくと試合の流れをより深く理解できるジェスチャーを紹介します。
カードの意味は不品行に対する警告と、試合遅延に対する警告で異なります。
| 場面 | 公式シグナル・注意点 |
|---|---|
| リプレイ(再試合) | 両手の親指を立て、両腕を上げる(公式シグナル24) |
| ポジションまたはローテーションの反則 | 人差し指で円を描く(公式シグナル14)。レシーブ側のポジション条件とサーブ順の違反を区別 |
| 初回の遅延警告 | イエローカードを反対の手首に当てる。得点ペナルティはない(公式シグナル26) |
| 同じチームの2回目以降の遅延 | レッドカードを反対の手首に当てる。相手チームに1点とサービス(公式シグナル26) |
リプレイの公式図は第11図24、遅延の公式図は第11図26です。 出典:JVA2026年度6人制競技規則・第11図(PDF)。図の動作は公式図を優先してください。
ノーカウント(プレーのやり直し)
コート内に別のボールが転がり込んできたり、審判の判定に誤りがあってプレーをやり直す際に出されるハンドシグナルです。
審判は胸の高さで両手の親指を立て、両腕の肘を曲げた状態で上に掲げます。
このシグナルが出た場合、直前のラリーは無効となり、同じサーバーのサーブからもう一度やり直しとなります。
ポジショナル・フォールト(ポジションの誤り)
通常の2026年度6人制では、レシーブ側がサービスヒット時に前後・左右の相対位置の条件を満たさない場合の反則です。サーブ側はサービスヒット時に自由な配置が認められますが、サーブ順の違反は別にあります。JVA国内審判の取り扱いではトス時点で完全に入れ替わっている場合にも注意が必要です。JVA2026年度取り扱い7.4。
審判は片手の人差し指を立てて前に出し、その指で小さな円を描くようにクルクルと回します。
複雑なフォーメーションを組む現代バレーにおいて、選手の立ち位置が重なったり、前後左右の関係が崩れたりした際に厳密に判定されます。
遅延行為の警告と罰則
試合の進行を故意に遅らせる行為(靴紐をゆっくり結ぶ、フロアを拭きすぎるなど)に対するペナルティを示すハンドシグナルです。
審判は黄色または赤色のカードで反対側の手首を覆うシグナルを行います。黄色が初回の遅延警告、赤色が同じチームの2回目以降の遅延ペナルティです。
同じチームの最初の遅延行為には黄色カードで手首を覆う遅延警告(得点ペナルティなし)、2回目以降には赤色カードで手首を覆う遅延ペナルティ(相手に得点とサーブ権)が適用されます。通常の不品行警告とは区別します。JVA2026年度規則16.2・第11図25。
【番外編】線審(ラインジャッジ)のフラッグシグナル
コートの四隅に立つ線審(ラインジャッジ)も、小さな旗(フラッグ)を使って主審にボールの判定を伝えています。
線審のシグナルも合わせて覚えておくことで、より一層バレーボール観戦が楽しくなります。

インとアウトの旗の振り方
ボールが「イン」の場合は、旗を持った手を斜め下に向かってピンと伸ばし、コートのフロアを指し示します。
ボールが「アウト」の場合は、旗を持った手を真っ直ぐ真上に高く挙げ、主審に明確にアピールします。
線審のフラッグシグナルは、主審が判定を下す際の重要な情報です。最終的な裁定はファーストレフェリーが行います。旗の方向だけで、線審が最終的な決定権を持つわけではありません。
ワンタッチの旗の振り方
ボールが選手に触れてからアウトになった「ワンタッチ」の場合は、旗を持った手を垂直に立て、もう片方の手を旗の先端に添えます。
これは主審のハンドシグナルとよく似た形であり、ブロックの指先をかすめた微妙なボールを線審が見逃さずに伝達するための重要な動きです。
まとめ
バレーボールの審判が行うハンドシグナルは、言葉を使わずに試合の状況を正確に伝えるための非常に洗練されたシステムです。
この記事で紹介したジェスチャーの種類を図鑑のように見返すことで、次に試合を観戦する際の解像度が劇的に上がるはずです。
特に「ダブルコンタクト」や「タッチネット」など、頻出する反則のハンドシグナルを覚えておくだけで、「なぜ今プレーが止まったのか」が瞬時に理解できるようになります。
主審の腕の動き、副審のチェック、そして線審のフラッグの上がり方にまで注目してみると、バレーボールというスポーツの奥深さをより一層味わうことができるでしょう。
ぜひスマホを片手に、実際の試合映像とこの記事の解説を照らし合わせながら、審判のジェスチャーをマスターしてみてください。
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