バスケットボールの試合を見ていて、「ポイントガード」という言葉を聞いたことはありませんか。
チームで一番小柄な選手が務めることが多いですが、その役割は非常に重要です。
「バスケットボールのポイントガードとは、一体どんなポジションなの?」 「背番号1番と呼ばれることが多いのはなぜ?」 「司令塔と呼ばれるけれど、具体的に何をしているの?」
この記事では、そんな疑問にお答えします。
バスケットボールにおけるポイントガード(PG)は、一般的に「1番」ポジションと呼ばれ、チームの「司令塔」として攻撃(オフェンス)を組み立てる、最も重要な役割の一つです。
この記事を読めば、ポイントガードの具体的な役割、求められるスキル、そして日本代表の河村勇輝選手をはじめとする国内外の有名選手まで、その魅力のすべてが分かります。
バスケットボールのポイントガード(PG)とは?
ポイントガード(Point Guard、略してPG)は、バスケットボールの5つのポジションのうちの一つです。
コート上の5人をポジション番号で呼ぶ際、ポイントガードは「1番」と呼ばれることが多いため、「バスケットボール 1番」といえば、多くの場合このポイントガードのことを指します。
ポイントガードの最大の役割は、「司令塔」としてチームのオフェンスを指揮し、コントロールすることです。
ディフェンスリバウンドや相手の得点後、まずポイントガードがボールを受け取り、相手コート(フロントコート)まで安全にボールを運びます。
そして、監督やコーチの指示に基づき、あるいはその場の状況判断で、どのプレーを選択するか(セットプレーの指示、速攻の判断など)を決定し、味方に伝達します。
常にボールに触れる時間が最も長く、チームの頭脳として機能するため、「コート上の監督」とも呼ばれる非常に責任重大なポジションです。
ポイントガード(PG)の具体的な役割
「司令塔」と言われても、具体的に何をしているのかイメージが湧きにくいかもしれません。
バスケットボールのポイントガードが担う主な役割は、以下の5つに分けられます。
1. ボール運び(フロントコートへの侵入)
バスケットボールのルールでは、自陣(バックコート)でボールを持ってから8秒以内に相手コート(フロントコート)へボールを運ばなければなりません。
ポイントガードは、相手チームの激しいプレッシャー(ディフェンス)をかわしながら、このボール運びを確実に行う最初の任務を担います。
ここでボールを奪われてしまう(ターンオーバー)と、即失点につながるため、PGには極めて高度なドリブル技術と冷静さが求められます。
2. オフェンスのセット(司令塔の役割)
ボールをフロントコートに運んだら、次はオフェンスの始まりです。
ポイントガードは、監督が指示したフォーメーション(セットプレー)や、相手のディフェンスの状況を見て、どの攻撃パターンを選択するかを瞬時に判断します。
そして、その指示を声やハンドサインで味方選手に伝達し、オフェンスを開始させます。
まさにチームの頭脳であり、PGの判断一つでその攻撃が成功するかどうかが決まります。
3. ゲームメイク(試合の組み立て)
ポイントガードは、単にプレーを指示するだけではありません。
試合全体の流れ(ゲームテンポ)を読み、チームをコントロールする「ゲームメイク」も重要な役割です。
例えば、チームが連続得点して勢いに乗っている時は、速いテンポで速攻(ファストブレイク)を仕掛けるよう促します。
逆に、相手に連続得点されている苦しい時間帯は、あえてゆっくりと時間を使い、一度プレーを落ち着かせて(ハーフコートオフェンス)、チームに冷静さを取り戻させます。
試合の「流れ」を読み、チームを勝利に導く舵取り役なのです。
4. アシスト(味方へのパス供給)
ポイントガードの華とも言えるのが、味方の得点を演出する「アシストパス」です。
PGは常に広い視野を持ち、ディフェンスの隙間を見つけ、ノーマークになっている味方選手や、有利な体勢で攻められる味方選手(特にセンターやパワーフォワード)へ、最もシュートを決めやすいタイミングで正確なパスを供給します。
得点した選手だけでなく、その得点を生み出したPGのパスもまた、観客を魅了するプレーの一つです。
5. チームの精神的支柱
前述の通り、PGは試合中、最も長くボールに触れ、常にチーム全体に指示を出すポジションです。
そのため、PGの振る舞い一つがチームの士気に直結します。
苦しい時間帯でも常に冷静さを失わず、時には大きな声で仲間を鼓舞するリーダーシップも、優れたポイントガードに不可欠な資質です。
ポイントガードに求められる重要なスキル
これらの多様な役割を果たすため、ポイントガードには他のポジションとは異なる、特殊なスキルが求められます。
高度なボールハンドリング(ドリブルキープ力)
相手のプレッシャーディフェンスの中でもボールを奪われない、体に吸い付くようなドリブル技術は絶対条件です。
低い姿勢でのドリブル、左右両方の手で自在にボールを操る能力、ディフェンスを抜き去るスピードの変化(チェンジオブペース)などが含まれます。
広い視野(コートビジョン)
自分のマークマンだけでなく、コート上にいる味方4人と敵5人の位置、さらにボールの動きを常に把握する能力です。
「鷹の目」とも言われるこのコートビジョンがあるからこそ、ディフェンスのわずかな隙を見つけてアシストパスを通すことができます。
正確なパスセンス
ただパスを出すだけではありません。
相手にカットされず、味方が受け取ってからすぐにシュートや次のプレーに移りやすい、優しくも鋭い「思いやりのあるパス」を出す技術が求められます。
(チェストパス、バウンドパス、頭上を通すロブパスなど、状況に応じた使い分けも必要です)
バスケットボールIQ(判断力)
これが司令塔たる所以です。
刻一刻と変わる状況の中で、「今、チームにとって最も成功確率の高いプレーは何か」を瞬時に判断する能力が求められます。
自分で攻めるべきか、味方にパスを出すべきか、時間を稼ぐべきか。
その判断の的確さが、チームの勝敗を左右します。
得点力(スコアリング)
かつてのポイントガードは「パス第一」が主流でしたが、現代のバスケットボールでは、PG自身が高い得点力を持つことが強く求められます。
相手ディフェンスが「どうせパスだろう」と油断している隙を突いてドライブで切り込んだり、自ら3ポイントシュートを沈めたりすることで、相手ディフェンスはPGへの警戒も強めざるを得なくなります。
その結果、他の味方選手がノーマークになりやすくなり、アシストパスもさらに活きてくるのです。
有名なポイントガード(PG)の選手たち
ここでは、ポイントガードというポジションの魅力を体現する、国内外の有名選手を紹介します。
【日本代表】河村勇輝(かわむら ゆうき)選手
今、日本のバスケットボール界で最も注目を集めるポイントガードの一人です。
身長は小柄ながら、それを補って余りある圧倒的なスピードと、卓越したボールハンドリング、そして広いコートビジョンから繰り出される変幻自在のアシストパスが魅力です。
さらに、自らも積極的に得点を狙う勝負強さ(特にクラッチタイムでの3ポイントシュート)も兼ね備えており、まさに現代の「スコアリング型ポイントガード」を体現しています。
BリーグでのMVP獲得や、日本代表での活躍は、多くのバスケットボールファンを魅了しています。
【日本代表】富樫勇樹(とがし ゆうき)選手
河村選手と並び、長年日本代表のポイントガードとして活躍する選手です。
抜群のシュート力、特に遠い距離からでも決めてくる3ポイントシュートは大きな武器です。
もちろん、司令塔としてのゲームメイク能力も極めて高く、スピードに乗ったドライブと正確なパスでチームのオフェンスを牽引します。
【NBA】ステフィン・カリー選手
NBA(アメリカのプロバスケットボールリーグ)の歴史において、「ポイントガード」のイメージを根底から変えた選手です。
従来のPG像(パス主体)とは一線を画し、そのキャリアにおいて「史上最高のシューター」と称されるほどの圧倒的な3ポイントシュート能力を持っています。
彼の存在により、PGもエースとして得点を奪う「スコアリング型」がNBAの主流となりました。
【NBA】クリス・ポール選手
ステフィン・カリー選手とは対照的に、伝統的な「純粋なポイントガード」像を極めたレジェンド選手の一人です。
「ポイント・ゴッド(PGの神)」とも呼ばれ、その驚異的なバスケットボールIQと広い視野から生み出されるアシストパスで、味方選手の能力を最大限に引き出します。
派手さはありませんが、彼のゲームメイクはまさに芸術的と評されます。
まとめ:ポイントガードはチームの勝敗を握る頭脳
あらためて、バスケットボールのポイントガード(PG)についてまとめます。
- ポイントガード(PG)は「1番」ポジションとも呼ばれ、チームの「司令塔」です。
- 主な役割は、ボール運び、オフェンスの指示、試合の流れを読むゲームメイク、そして味方の得点を演出するアシストパスです。
- PGには高度なドリブル技術、広い視野、的確な判断力(バスケIQ)が求められます。
- 現代では、河村勇輝選手やステフィン・カリー選手のように、パスだけでなく自ら高得点を挙げる「スコアリング型」のPGが主流となっています。
ポイントガードは、コート上で最も戦術的かつ知的な判断を求められる、奥深いポジションです。
次にバスケットボールの試合を観戦する際は、ぜひ「司令塔」であるポイントガードの動きに注目してみてください。
彼らがどのようにチームを動かし、どのように試合をコントロールしているかが分かると、バスケットボールの魅力がさらに深まるはずです。
(当サイトでは、シューティングガードやセンターなど、他のポジションについても詳しく解説しています。そちらもぜひご覧ください。)





















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