バレーボールの攻撃パターン全解説!Aクイック・時間差・パイプ攻撃でブロックを翻弄せよ

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バレーボールの試合を観戦していると、息を呑むようなスピーディーな展開や、相手の意表を突く鮮やかなスパイクに目を奪われることでしょう。

しかし、コート上で繰り広げられているバレーボールの攻撃は、単に力強くボールを打っているだけではありません。

緻密に計算された「種類」豊富なコンビネーションを用いて、いかに相手ブロックを分散させ、優位な状況を作り出すかという高度な頭脳戦が展開されています。

本記事では、バレーボールにおける攻撃の全貌を、初心者にも分かりやすく徹底解説します。

王道であるAクイックから、相手をあざむく時間差攻撃、そして現代バレーボールのトレンドであるパイプ攻撃やバックアタックまで、各プレーの仕組みと戦術的な意図を網羅しました。

さらに、観戦の醍醐味を深める「シンクロ攻撃」などの最新トレンドについても詳しく掘り下げていきます。

この記事を最後まで読めば、バレーボールの攻撃パターンに対する理解が深まり、次の試合観戦が劇的に面白くなるはずです。

バレーボールにおける「攻撃」の基礎知識とその種類

バレーボールにおける最大の目的は、ボールを相手コートに落として得点を奪うことです。

そのために最も直接的で決定的な手段となるのが、スパイクなどの攻撃プレーです。

しかし、相手チームも強固なブロックとレシーブ陣形を敷いて待ち構えているため、単純な攻撃では簡単に防がれてしまいます。

そこで重要になるのが、セッターを中心に多彩な攻撃の「種類」を使い分け、相手の守備システムを崩すことです。

バレーボールの攻撃は、大きく分けるとスパイカーの助走や打点によって分類されます。

高く上がったボールをしっかり助走して打つオープンスパイク、セッターのトスと同時に跳ぶクイック、複数のスパイカーが絡むコンビネーションなど、そのバリエーションは多岐にわたります。

これらの攻撃パターンを状況に応じて組み合わせることで、相手のブロッカーに的を絞らせないことが、得点力を高める最大の鍵となります。

また、攻撃を仕掛けるポジション(レフト、センター、ライト、バック)のバランスを保つことも、相手の守備を広げる上で不可欠な要素です。

スピードで圧倒する!「クイック」攻撃の種類と戦術

バレーボールのコンビネーション攻撃の基本であり、最もスピード感あふれるのが「クイック」と呼ばれる攻撃です。

セッターから短いトスを上げ、相手ブロッカーが跳ぶ前、あるいは空中で最高到達点に達する前にボールを打ち込む戦術です。

Aクイック:セッターの目の前で放つ最速の一撃

Aクイックは、セッターのすぐ目の前(約1メートル以内)に短く低いトスを上げ、センターの選手が素早く打ち込む攻撃です。

スパイカーはセッターの手にボールが収まるのとほぼ同時にジャンプを踏み切るため、バレーボールの攻撃の中でも圧倒的に速いタイミングで繰り出されます。

相手ブロッカーはトスの軌道を見てから反応したのでは到底間に合わないため、Aクイックが決まるとチームに大きな勢いをもたらします。

このAクイックの脅威があるからこそ、相手のミドルブロッカーは中央を警戒せざるを得なくなり、結果的に両サイドの攻撃が活きるという重要な役割も担っています。

B・C・Dクイック:位置をずらす巧みなコンビネーション

クイック攻撃はAクイックだけではありません。

セッターから数メートル離れた位置(セッターとレフトの間付近)に少し長めの低いトスを上げるのがBクイックです。

さらに、セッターの背後(ライト側)へ短く低いトスを上げるのがCクイック、セッターの背後へやや長く低いトスを上げるのがDクイックと呼ばれます。

このように、同じクイックでも打つ位置とトスの長さを変えることで、相手ブロックの基準となる位置をずらし、守備の的を絞らせないようにする効果があります。

特にCクイックやDクイックを用いた背後への攻撃(バックトスからのクイック)は、相手ブロッカーの視界から一瞬外れるため、非常に有効な戦術として多用されます。

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ブロックのタイミングを外す「時間差攻撃」

スピードで圧倒するクイックに対して、相手のタイミングを意図的にずらしてブロックを無力化するのが「時間差」攻撃です。

時間差攻撃の基本的なメカニズムは、おとり(デコイ)となる選手と、実際にスパイクを打つ選手の2つの動きを組み合わせることにあります。

まず、1人目のスパイカーがAクイックなどの速いタイミングでジャンプし、相手のブロッカーを誘い出して空中に跳ばせます。

そして、そのブロッカーが着地のために落下し始めた瞬間に、別のスパイカーが少し遅れたタイミングでジャンプし、ガラ空きになった空間からスパイクを打ち込みます。

この戦術は、相手のブロックがきっちりと完成する前にボールを通過させるため、非常に決定率が高いのが特徴です。

かつての日本代表が開発し、世界中で採用されるようになったこの時間差攻撃は、バレーボールにおける頭脳プレーの象徴とも言えます。

また、1人の選手が跳ぶふりをして相手ブロッカーを跳ばせ、直後に本ジャンプをして打つ「一人時間差」という高度な個人技も存在し、観客を魅了するプレーの一つです。

現代バレーの象徴「バックアタック」と「パイプ」攻撃

現代のバレーボールにおいて、勝敗を大きく左右する強力な武器となっているのが、後衛の選手による攻撃です。

コートの奥から助走をつけて放たれるスパイクは、前衛の攻撃とは異なるリズムと軌道を持ち、守備側にとって非常に厄介な存在です。

後衛から強烈な一撃を放つバックアタック

バックアタックとは、後衛の選手がアタックライン(ネットから3メートルの線)の後ろから踏み切ってスパイクを打つ攻撃のことです。

空中でアタックラインを越えてボールを打つことはルール上認められており、後衛の選手が攻撃に参加することで、攻撃の枚数を物理的に増やすことができます。

長い助走距離を活かしたパワフルなスパイクが多く、ブロックのさらに上から打ち下ろすような強烈な一撃は、試合の空気を一変させる魅力を持っています。

ローテーションによって前衛のスパイカーが少ない状況でも、バックアタックを有効に使うことで、攻撃力を落とさずに攻め続けることが可能になります。

パイプ:コート中央からブロックを切り裂く

バックアタックの中でも、コートの中央付近(主にセンターライン後方)から放たれる攻撃を特別に「パイプ」攻撃と呼びます。

パイプ攻撃の最大の強みは、前衛のクイック攻撃と組み合わせることで生まれる絶大な破壊力にあります。

前衛のミドルブロッカーがAクイックなどでジャンプして相手ブロックを引きつけ、その後ろの空間(パイプの中を突き抜けるような軌道)から後衛のスパイカーがバックアタックを打ち込みます。

相手ブロッカーからすると、目の前のクイックに対応すべきか、後ろから飛んでくるパイプ攻撃に対応すべきか、一瞬の判断を迫られるため非常に対応が困難です。

さらに、パイプ攻撃は両サイドへのブロックを遅らせる牽制効果も絶大であり、現代バレーボールにおいて世界トップクラスの攻撃力を誇るチームには不可欠な戦術となっています。

観戦がもっと面白くなる!最新トレンド「シンクロ攻撃」

バレーボールの戦術は日々進化しており、近年では「シンクロ攻撃(同時多発位置差攻撃)」という戦術が世界の主流となっています。

シンクロ攻撃とは、セッターがトスを上げる動作に入った瞬間に、前衛・後衛を問わず4人または5人のスパイカー全員が同時に助走を開始し、攻撃の態勢に入る戦術です。

全員が本気でスパイクを打つ動作(シンクロナイズした動き)を見せることで、相手ブロッカーは誰にトスが上がるのか、最後まで全く予測できなくなります。

従来のバレーボールでは、相手のトスを見てから跳ぶ「リードブロック」というブロックシステムが効果的だとされていました。

しかし、シンクロ攻撃によってコートの至る所から同時に攻撃の選択肢が発動すると、ブロッカーの視線と判断力が完全に分散され、的を絞ることが物理的に不可能になります。

これにより、常にブロッカーが1枚、あるいはノーブロックの状態でスパイクを気持ちよく打てる状況を意図的に作り出すことができるのです。

コート全体を使った流れるような連動性と、相手の守備網を完全に無力化する圧倒的な制圧力は、現代バレーボールを観戦する上で最高のエンターテインメントと言えるでしょう。

まとめ:バレーボールの攻撃パターンを知って試合をもっと楽しもう

バレーボールの攻撃は、単なる力のぶつかり合いではなく、緻密に計算された空間と時間の支配の奪い合いです。

圧倒的なスピードで魅了するAクイックをはじめとした各種クイック、相手の裏をかく時間差攻撃、そして破壊力抜群のパイプ攻撃を含むバックアタックなど、その「種類」は多彩です。

これらの攻撃をいかに組み合わせ、シンクロ攻撃のような最新戦術で相手ブロックを崩すかが、バレーボールの勝敗を分ける最大の焦点となります。

次に試合を観戦する際は、ボールの行方だけでなく、「誰がおとりになっているか」「後衛の選手がどこから助走しているか」「何人が同時に攻撃の助走に入っているか」といった点にぜひ注目してみてください。

各チームが仕掛ける攻撃の意図を読み解くことができれば、バレーボールの奥深い魅力にさらに引き込まれ、試合観戦が今よりもずっとエキサイティングで面白くなるはずです。

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